勾配!コーバイ!の話
 土木でも管工事でも給水装置でも必ずといっていいほど出題されるものに、勾配がらみの問題がある。
 最も分かりやすい事例としては排水管等の勾配表示であり、たとえば建物内の排水横管の勾配は管径75〜100oの場合は最小1/100以上とするというのは管工事施工でよく出題される。
 これは分数表示であるから、水平に100m進む時に垂直に1m立ち上がる割合であることが分かる。
 これに対して、道路の縦断勾配や横断勾配を表す時は、おなじみの%が用いられる。
 たとえば、高速道路で上り勾配5%の表示があれば、100m進むうち5m立ち上がる割合だ。
 少し分かりにくいのは、給水装置で出題される動水勾配(給水管の長さに対する発生する損失の割合)で使用される‰(パーミル)という単位で、これは%をさらに10倍細かくして千倍単位で表したもので、1/1,000が1‰になる。
 したがって、たとえば20‰は、1,000m水平に進むうち20m立ち上がる割合になる。
 ということは、100%=1,000‰=1という関係にあるわけだ。
 今まで見てきたのは、どれもこれも水平距離に対する垂直距離の割合(垂直÷水平)となっている。
 我々は、普通水平な場所で生活しているから、これはいわば常識だ。
 ところが、この常識に平気で逆行する勾配表示がある。
 土木施工で出題される「のり面勾配」の表示方法がそうである。
 たとえば、のり面勾配で「1割勾配」という時、普通は1割=10%=10/100の勾配という考え方になりそうなものであるが、これは垂直1の長さに対して水平1.0の長さの割合という意味であり、これを「1:1.0」と表現することもある。
 同様に、8分勾配というのも垂直1に対して水平0.8の長さの割合という意味で、「1:0.8」とも表現する。
 ということは、数字が小さくなるほど角度がきつくなることを意味する。
 このように、切土や盛土面等で使用されるのり面勾配表示は、全く常識が通用しないので注意しよう。




古典的ヒッカケ問題の「工期・建設費曲線」
 出題者側には、受験者を何とかして選抜しなければならないという使命がある。
 そのための手段として時々出題されるものに、いわゆる「ヒッカケ問題」があるが、この手の問題では古典的なものに「工期・建設費曲線」の出題がある。
 「工期・建設費曲線」では、縦軸が工事費を表し、横軸は工期を表している。
 工事費は、「直接費」と「間接費」の和を意味し、「直接費」は材料費や労賃等の、工事を進行するのに直接必要とする費用を意味する。
 これは、突貫工事模様になると、支出が一気に増大するものである。
 これに対して、「間接費」は銀行借入金利やリース料等の、工事に直接必要とするものではないが間接的に要する費用を意味する。
 これは、工期が長引くほど支出が増大していく特徴がある。
 したがって、工事費(直接費+間接費)というものは、工期が短すぎても長すぎても増大するものなので、工事費を表す曲線図は必ず「U字型」になる。
 この直接費と間接費の和が最小になるU字型の底のポイントが「最適工期」とか「経済速度」と言うものであり、この付近の工期で工事を進行させるのが会社が最も儲かることになる。
 ところで、この「工期・建設費曲線」のヒッカケポイントというのは、横軸の工期の表し方にある。
 普通、X軸とY軸からなる図では、交点が原点となり、ゼロで表すことが一般的だと思う。
 ということは、交点に近い方が数字が小さくなる。
 この方法に従い、交点に近い表の左側の部分の工期は「短い」側として表される。
 反対に、交点からから離れた表の右側の部分の工期は「長い」側となる。
 これが一般的だと考えると・・・・・この施工管理技士の試験では失敗する!
 実際、表の左が「短い」、右が「長い」で表す「工期・建設費曲線」もある。
 しかし、表の左が「長い」、右が「短い」で表す「工期・建設費曲線」もあるのだ。
 そして、たま〜に左右の「短い」と「長い」の関係を入れ違えて出題してくるという訳なのだ。
 ここが入れ替わると、直接費と間接費を表す曲線図の関係が入れ替わってしまうので、解答が変化する。
 率直に言って、なんか下らないと思うが、うっかりしているとつい見過ごして点数を落としてしまうことがあるので、注意が必要だ。



本家or分家?バーチャート
 最近、施工管理技士の種類を問わず目立ってひどくなってきたものに、バーチャートの本家か分家か(?)の問題がある。
 もともと、バーチャートは縦軸に作業名を、横軸に暦日や作業日数を取り、各作業毎の実施予定期間を白枠で、実際の施工実施期間を白枠の塗りつぶしなどで表す。これつまり「本家」。
 「分家」バーチャートは、「本家」バーチャートの息子(?)と累計出来高予定曲線(S字曲線)の娘(?)を結婚させたもので、これも表向きは「バーチャート」ということで出題される。
 たとえば、具体的には平成14年の2級電気施工で、次のような出題があった。

〔No.46〕 工程表の特徴に関する記述として、不適当なものはどれか。
 1.ネットワーク工程表は、作業の相互関係が把握しやすい。
 2.ネットワーク工程表は、各作業の余裕時間が容易に把握できる。
 3.バーチャート工程表は、工事の全体進行度が把握できる。
 4.バーチャート工程表は、各作業の工期に対する影響の度合いが把握しやすい。

 ネットワーク工程表についての説明は正しいので、答えは3番か4番のどちらかである。
 「本家」バーチャートの立場から言えば、工事の全体進行度は分からないし、各作業と工期の関係は不明である。
 したがって、3番も4番も誤りになってしまう。
 「分家」バーチャートの立場では、累計出来高曲線の方で工事の全体進行度が把握できるが、各作業と工期との関係は依然不明であるから、解答は自動的に4番と言うことになってくる。
 ところで、「分家」バーチャートは、いつから「バーチャート」の看板を上げるようになったのだろうか?
 これは「累計出来高予定進度曲線が併記されたバーチャート」などのように表現して出題すべきではないだろうか?



建設業法、知事許可該当でも大臣許可になる話!?
 建設業では、1件の請負代金が500万円以上になる場合には建設業の許可が必要となり、建設業28業種毎に許可が必要とされる。
 そのうち、営業所が1つの都道府県内に全て存在する場合は都道府県知事の許可で済むが、2つ以上の都道府県に分散している場合は国土交通大臣の許可が必要になる。
 ところで、営業行為を行おうとする業種の営業所が1つの都道府県内にしかないのに、国土交通大臣の許可が必要になることがあるのをご存知だろうか?
 たまに施工管理技士試験の中で出題されることがあるが、既に他の業種で国土交通大臣の許可を得ている場合は、新たに許可を得ようとする業種の営業所が1つの都道府県内にしかなくても、国土交通大臣の許可が必要になる。
 これは要するにお役所側の都合なのだが、同じ会社なのに監督官庁が複数になるのは好ましくないとの考えから来ているようだ。



建設業法、技術者の設置の例外!?
 建設業法では、建設業の許可を受けたら最後、どんな場合でも現場に技術者を設置しなければならないことが定められている。
 技術者としては、主任技術者と監理技術者の2つがあるが、次の全ての条件を同時に満たす場合に限定して監理技術者を設置し、それ以外は例外なく主任技術者を設置する。
 @特定建設業の許可を受けている。
 A発注者から直接工事を請け負っている。
 B下請へ総額3,000万円以上で工事を発注している。
 建設業の許可を受けていない場合は、1件当たり500万円未満の工事しか請け負うことができないが、建設業法のこれらの規制を受けないので、現場に技術者を設置する必要はない。
 ところで、やはり例外はあるもので、請負金額500万円未満の建設業の許可を受けていない業種であっても、現場に主任技術者を設置しなければならない場合が存在する。
 そんな馬鹿なと思うかもしれないが、次のような場合である。
 すでにある業種で建設業の許可を受けている業者が、附帯工事として許可を受けていない業種の工事を500万円未満で請け負い、自社で施工を行う場合、その附帯工事の部分については主任技術者は不要なのではなく、やはり必要になる。
 もちろん、この場合の主任技術者は附帯工事の業種の主任技術者でなければならない。
 仮に、附帯工事の業種の主任技術者になれる者がいない場合は、自社施工を諦め、その業種の下請へ発注するしかない。



一括下請負の禁止の例外の例外!?
 建設業法では、発注者から請け負った工事を一括して下請へ発注すること及びこれを受注すること、つまり「丸投げ」行為を原則として禁止している。
 ただし、例外的に元請負人があらかじめ発注者の書面による承諾を受けた場合には適用しないとされており、全面的には禁止されていない。
 施工管理技士の試験でも、建設業法の中から出題されるので、基本的にこのルールに沿って解答することになるが、例外の例外として、公共工事の場合には全面的に一括下請負が禁止されているので注意が必要である。
 これは、「公共工事の入札及び契約の適正化の促進に関する法律」で禁止しているためである。



埋設管の埋設深さ
 
埋設管の埋設深さは、道路法施行令において公道下の場合は1.2m以上というのが定めであったが、平成11年3月に建設残土発生抑制の観点から国土交通省から最低基準として次のとおり通達があった。
 ☆車道の場合:舗装厚さに0.3mを加えた値とし、0.6m以下としないこと。
 ☆歩道の場合:0.5m以下としないこと。
 この最低基準を満たした上で、各道路管理者の定める埋設深以上とすることが決められた。
 したがって、具体的な埋設深はその道路管理者によって異なるが、一例として下層路盤の下側から30cm以上、歩道の場合は下層路盤の下側から20cm以上−−などのように定めているようである。
 なお、これはあくまでも道路管理者側の規定なので、具体的な工事実施の場合は各埋設物管理者に確認する必要がある。道路管理者側で定めた埋設深が必ずしも埋設物管理者側で決めた埋設深と一致するわけではないからである。
 なお、この通達が適用される管種は、次のとおりである。
 @銅管(JIS G 3443)
 Aダクタイル鋳鉄管(JIS G 5526)
 B硬質塩化ビニル管(JIS K 5526)
 C水道配水用ポリエチレン管
※@〜Bまでは300o以下のものが対象となり、Cは200o以下で、外径/厚さ=11のものが対象となる。