●試験に出る用語・オリジナル解説
 
電気工事施工管理技士学科試験で出題の多い項目についてまとめてあります。この内容についての一切の権利はアートライセンスが有しており、個人的な活用は認めますが、社内・団体等による利用、講習利用等その他の利用の一切を禁止いたします。なお、内容等についてお気づきの点がありましたら、ご一報下さい。


1.アンペアの右ねじの法則
 直流電流が+から−に向かって電流が流れる方向に右ねじをまわす時、右ねじの回転方向に向かって磁力線が発生する。この場合の磁力線の向きは、N極からS極の方向に向かって進む。
 
2.フレミングの右手の法則・左手の法則
 右手の法則も左手の法則も、発電機を2台並列接続し、一方の発電機をまわしたところ、もう一方の発電機が回転したことから発見された。つまり、発電機も電動機も基本的には同じものであり、外部から回転力を与えることで電流として出力するものが発電機(右手の法則)、外部から電流を与えて回転力として取り出すものが電動機(左手の法則)である。よって、この2つの法則は同一のことを別々の立場から言い表したにすぎない。どちらの法則も、電流と電磁石のやりとりの関係を親指を力(磁石の反発や吸引の力)、人差し指を磁石のS極方向(つまり、人差し指の逆方向はN極になる。)、中指を電流の方向(電流は+から−に流れるから、−方向)を表す。

3.ファラデーの電磁誘導の法則
 コイルの近くで磁石を変化させると発電することを意味する。この時、磁石の磁力線の数が大きいほど(つまり磁石のパワーが大きいほど)起電力が大きい。

4.静電力と磁力の関係
 電流が流れる場所には静電気が発生し、同時に磁界も発生する。それぞれの力の大きさは、距離に比例するか、距離の2乗に比例するかを問う問題が多い。
@静電力、つまり電荷の大きさは、その電荷どうしの積に比例し、距離の2乗に反比例する。
A磁界の強さは、流れる電流の大きさに比例し、磁極どうしの距離に反比例する。

5.ゼーベック効果・ペルチェ効果
@ゼーベック効果:2つの異なる金属の両端を接続し、一方に温度変化を与えると他方には起電力となって変化が表れること。高温を測る温度計のセンサー部分に用いられる「熱電対」の原理を表す。
Aペルチェ効果:ゼーベック効果の逆の現象をいい、2つの異なる金属の両端を接続し、内部に電流を流すと冷凍部分と発熱部分とに分かれて表れる現象。これを利用し、パソコンのCPUの冷却用に「ペルチェ素子」として販売されている。

6.表皮効果
 電流が電線の表面近くだけを流れ、電線中心部には流れないことをいう。交流電流でしか発生しない。原因は、電線内部に電磁力によって交流電流の1/2波長の誘導電流のループが発生するためで、ループの流れが電線中心近くでは電流の流れの逆向き、電線表面近くでは電流の流れの方向に発生するためである。表皮効果を抑え、送電効率を上げるには、細い電線(より線)を用いるか、送電周波数を下げればよい。

7.電流の流れる方向が他の電線に及ぼす影響
 2本の電線間で電流の流れる方向が同じだと、アンペアの右ねじの法則が働き、電線相互には互いに引き合う力が生じる。これに対して2本の電線の電流の方向が逆方向だと互いに反発し合う力が発生する。

8.三相交流におけるオームの法則
 三相交流では、結線の方法によって、次の2つのオームの法則がある。
@Y接続の場合
        V
   I=――――
      R

A△接続の場合
      
    I=――――
        R
※送電系統の短絡電流や、集中負荷が発生した場合の計算問題が出題されることが多いが、これらは、三相交流の3本の電線が1箇所に集中して接続されていることと同じだから、Y接続の計算式で計算する。

9.計器類の特徴
計器類は、デジタル計測器が一般的になりつつあるが、デジタル計測器は一切出題されない(内容が電子機器であるため)。アナログの針式計測器が出題されるが、アナログ計測器の特徴は、ほとんどが磁石の吸引・反発作用を利用して針を振らせているタイプだということである。なかにはファラデーの電磁誘導の法則を利用した「誘導形」や、静電気の吸引・反発作用を利用した「静電型」も存在するが、@磁石なのか、A誘導作用なのか、B静電気なのかの違いが分かれば、解答できる問題がほとんどである。

10.単巻変圧器
 電車のAT交流き電方式で、変電所設置間隔を長くするため2倍の電圧で電源供給する場合に用いられる。1次側と2次側の共通部分を分路巻線、1次側だけの部分を直列巻線という。また、1次側を線路容量、2次側を自己容量といい、1次2次のVA比は等しく、巻線比が電圧比となる。

11.ひずみ波交流と高調波障害対策
 ひずみ波交流は、50Hz又は60Hzの送電基本波周波数に対して、2倍高調波以上の高調波電流が重なることによって、送電基本波の波形にひずみが生じることをいう。偶数高調波の重なるひずみ波の場合は基本波に対して正位相、負位相が必ずしも同位相となるわけではなく、正波と負波の形状が大幅に変化する場合があるが、奇数高調波の場合は正波と負波の形状が必ず等しくなるため、ひずみ波による電気機器への影響が深刻化する。問題なのは、奇数波高調波であるが、3倍高調波に関しては変圧器の最終結線を△結線とすれば3倍高調波は△結線内のループを循環するので外部には3倍高調波は現れない。5倍高調波以上については、送電系統内に5倍高調波以上(50Hzならば、50×5=250Hz以上)で共振するようコイルとコンデンサで共振回路を組み、即座にアースすることで高調波電流を除去する。この時に共振回路を組むために用いるコイルが「直列リアクトル」である。また、5倍高調波以上で共振させるため、直列リアクトルの容量は、コンデンサの容量の6%以下とする。(共振回路を組むことで、コンデンサ端子電圧は6.4%位上昇する。)

12.直列リアクトルと分路リアクトル
 直列リアクトルは、高調波電流をアースするためコンデンサと一緒に共振回路を組むために用いられるコイルであるが、分路リアクトルは、遅れ力率の時にコンデンサを接続するのと同様の目的で、進み力率の時に力率改善のため接続するコイルである。

13.送電系統の安定度向上対策 
 要するに送電系統のインピーダンスが下がり、負荷変化に即座に対応でき、発電機等の回転部分が安定していれば送電系統は安定する。

14.時定数
要するにアナログ的なスイッチの一種であるが、実際にON-OFFの動作を行わせる場合は、コンデンサの充電作用やコイルの誘導作用を利用するので、動作タイミングを早めたり遅くすることができる。たとえば、コンデンサを利用する場合は、充電開始から容量の63.2%未満まではスイッチOFFのまま、63.2%以上に達した段階でスイッチONとして処理するので、容量の大きなコンデンサでは、スイッチONになるまでの時間が長くなり、反応が遅くなる(つまり、時定数が大きいと、反応までの動作が遅い)。よって、負荷変化に即座に対応できる装置とするためには、時定数の小さな制御機器とする必要がある。

15.サイリスタ励磁装置
 励磁装置は、発電機や電動機の電磁石のパワーをコントロールする装置である。発電機ではコイルの近くに電磁石を置き、コイルか電磁石かいずれかを回転させてファラデーの電磁誘導の法則にしたがって発電する。この時、発電機出力は磁石の強さに左右されるので、発電機の出力コントロールは電磁石の電磁力をコントロールする(具体的には励磁電流を変化させる)ことで行われる。発電機出力は負荷変化に対応して高速度で変化させなければならないが、その要求に応えるのがサイリスタ励磁装置である。

16.発電機の並行運転
 発電機の並行運転を理想的に行うための条件は、次のとおり。
 @電圧が等しい。
 A周波数が等しい。
 B電圧の位相が等しい。
 C発電機の出力波形が等しい。 

17.発電機の回転スピードと発電機の形状の区分
 火力発電所はタービンを高速回転させて発電するため、一つの回転軸心上に遠心力に対して有利な横軸形(横に発電機を寝かすタイプでほとんどが2極機)の発電機が採用される。これに対し、発電機の回転速度が遅い水力発電機等では縦軸形(こまのように発電機の回転軸を垂直に立ててあり、多極機)で、磁極も発電に有利な形態であるが遠心力に弱い突極形が採用される。

18.送電出力とコンデンサ・コイルの関係(フェランチ現象)
 コンデンサ(進み電流発生装置)は電圧を上げる作用があり、コイル(遅れ電流発生装置)は電圧を下げる作用がある。したがって、たとえば送出電力が6.6KVで、送電系統がコンデンサ成分優位の状態(主に夜間で、日中のように電動機等のコイル分を使用していない状態では、送電系統自体が電線と電線との間に空気や絶縁体が存在するため、コンデンサ成分優位となる)では、電線抵抗等による電圧降下分を無視すれば、送出電力よりも受電端電力の方が上昇する。よって、受電電圧は6.6KV以上になる。この現象をフェランチ現象という。これに対し、日中のように送電系統にコイル成分優位の場合には、送電端電圧よりも受電端電圧の方が小さくなる。よって、受電端電圧は6.6KV以下になる。

19.自己励磁現象
 夜間などのように系統がコンデンサ成分優位の場合には、コンデンサによって系統内に進み電流が流れるため、発電機出力端子部分にも進み電流が流れることになる。進み電流は受電端電圧を上昇させる働きがあり、また、進み電流分が発電機出力端子にかかると、この分が本来の発電機の励磁分よりも多く励磁するように誘導電流を発生させてしまうため、結果的に発電機出力電圧を上昇させる。これを「自己励磁現象」といい、要するに系統内にコンデンサ成分による進み電流が流れていることが発生原因である。

20.自己励磁現象の防止方法(進相運転)
 自己励磁現象は、系統に進み電流が流れていることが原因なので、力率改善と同じ理屈で、要するにコイルによって遅れ電流を供給し、位相を合わせてやればよい。この役目を果たすコイルが「分路リアクトル」である。また、同期電動機を無負荷で運転し、励磁電流の強弱によって進み電流でも遅れ電流でも対応可能にした「同期調相機」を接続しても良い。なお、同期調相機と全く同じ考えで発電機自体で進み電流に対応しようとする場合は、励磁装置の出力をわざと通常時の励磁電流よりも下げて運転することによっても対応可能であり、これを「進相運転」という。進相運転の欠点は、発電機の端部が熱を持ち、発電機に負担がかかることである。

21.誘電体力率(誘電正接)
 要するに絶縁体(誘電体)=コンデンサ成分による損失を表す言葉である。したがって、誘電体力率が大きいということは、絶縁体によって電力損失が多く発生していることを意味する。

22.放電コイル
 電力用コンデンサは蓄電池の一種なので、静電気がたまり、そのままでは取り扱うのに危険が伴う。したがって、内部にたまった電気をアースする必要があり、その時に用いるのが放電コイル(又は放電抵抗)である。放電コイルは、放電開始後5秒後のコンデンサ端子電圧が50V以下でなければならない。

23.誘導電動機の特性
@回転トルクは、加える電源電圧の2乗に比例し、電源周波数に反比例する。
A回転速度は電源周波数に比例するが、電圧一定で周波数だけ下げた場合、電動機が焼けてしまうため、 電源周波数と電源電圧を一定割合のまま変化させる可変電圧可変周波数電源(VVVF)の電動機回転 数コントロール電源が用いられる。この代表的なものがインバータ制御方式である。

24.インバータ制御方式
 インバータ制御方式は、誘導電動機の回転数コントロール装置(誘導電動機の回転数は周波数に比例する)である。インバータ装置は、交流商用電源をいったん直流に整流した後、半導体装置により可変電圧可変周波数の電源供給を行う装置である。したがって、商用電源周波数の影響を受けない。

25.誘導加熱と誘電加熱
 誘導加熱は、名前のとおり電磁誘導作用を利用しているため、金属などの導電体の加熱方法である。この場合、焼き入れを行う電源周波数によって焼け方が異なり、低周波だと溶解用、高周波だと表面焼き入れ用となる。これに対して、誘電加熱は誘電体、つまり絶縁体用の加熱方法で、要するに電子レンジの一種である。この場合の加熱対象は、必ず絶縁体になる。

26.水車のキャビテーション
 水中で水車(ランナ)が回転することによって発生する「泡」をいう。キャビテーションが発生すると、効率低下、振動や騒音の発生、材料の侵食等につながる。

27.比速度
 実物の水車のサイズを同比率のままダウンサイジング(縮小化)して、落差1mで1KWの出力が得られるポイントでの特性の違いを実物と比較した場合の速度をいう。比速度の大きい水車ではキャビテーションが発生しやすく水車が長持ちしないが、比速度の小さい水車ではキャビテーションが発生しにくく水車が長持ちする。

28.反動水車と衝動水車
@反動水車:水の流れの反動を利用して水車(ランナ)を回転させる水車であり、その性質上、水量の影響を受け、小流量の場所には施設できない。反動水車の代表はフランシス水車である。
A衝動水車:名前のとおり水を猛烈な勢いで水車(バケット)に衝突させて水車を回転させる。水量にはあまり影響されず、水の落下高に影響される。ペルトン水車が代表的である。

29.揚水式発電所
 原子力発電所や大容量火力発電所の発電出力は大きいが、出力の微調整が出来ないという欠点がある。したがって、これらの発電所は日中でも深夜でも一定出力のベース負荷を担うことになるため、日中はどうしても電力需要に追いつかない場合があるし、深夜では逆に余剰電力がどうしても発生する。この問題を解消するため、揚水式発電所では、日中に水を高所の貯水池から落下させて通常の水力発電を行い、電力需要のサポートを行う。逆に、深夜はどうしても余剰電力が生じてしまうため、この電力を利用して低所の貯水池から高所の貯水池までポンプを利用して汲み上げ、翌日の発電の準備を行う。

30.短絡比とインピーダンスの関係
 「短絡比」とは、要するに通常運転時に生じるインピーダンス(同期インピーダンス)の逆数をいう。つまり、通常運転時のインピーダンスが「小さい(低い)」と安定運転が行えるわけであるが、これを短絡比が「大きい」という。これに対して、通常運転時のインピーダンスが「大きい」と系統が不安定になるが、短絡容量は小さくなる。これを短絡比が「小さい」と表現する。これは、発電機でも変圧器でも同じである。

31.鉄機械と銅機械
@変圧器等は、巻線部分よりも鉄芯部分の割合が大きいほど(鉄機械という)、インピーダンスが下がる(短絡比が大きくなる)ため電流が流れやすくなり(短絡時の電流=短絡容量も大きくなる)、安定した運転が可能となるが、反面、鉄芯部分が大きくなるので重量が重くなる。
A変圧器等は、鉄芯部分に比べて巻線部分の割合が大きくなると(銅機械という)、インピーダンスが大きく(短絡比が小さく)なるため電流が流れにくくなり(短絡容量は小さくなる)、運転が不安定となるが、反面、鉄芯部分が小さいため小型・軽量となる。

32.原子炉の種類
 原子炉には加圧水形と沸騰水形の2種類がある。加圧水形は文字どおり炉内が加圧されており、熱交換器を介してタービン回転用の高圧蒸気を取り出す。これに対して、沸騰水形は熱交換器を通さず、ダイレクトに原子炉から高圧蒸気を取り出す方式で、効率が良く、建設費も安い。

33.減速材と制御棒・フェールセーフ
 原子炉では、中性子を原子核に衝突させて核分裂連鎖反応を発生させる場合、中性子のスピードが速すぎると連鎖反応が連続的に生じなくなるので、これを防止するために中性子のスピードを落とす(熱中性子にする)必要があり、これが減速材の主目的である。減速材には、中性子を吸収しにくい材料(軽水=普通の水等)が用いられる。減速材や冷却材が沸騰すると、密度が低下するため中性子のスピードが落ちにくくなり、核分裂連鎖反応が抑制される。これに対し、核分裂連鎖反応をコントロールするために原子炉内に設けられるのが制御棒である。制御棒は、中性子を吸収しやすい材料で造られており、停電等でコントロール不能な事態が生じると制御棒が原子炉内に降りて核分裂連鎖反応が抑制される。このように異常事態時等に安全側に働くように設計されており、これをフェールセーフという。

34.冷却材
 原子炉を冷却するという意味もあるが、要するに原子炉で発生した熱を取り出すものが冷却材である。冷却材としては、主に軽水(普通の水)が用いられている。

35.火力発電所の熱サイクル
@再熱サイクル:タービンが蒸気による湿気で腐食しないようにし、熱効率のアップを図る対策であり、タービンによって温度が下がり、湿気を増した蒸気をいったんタービンから抜き取り、これを「再過熱器」で再過熱してタービンに返すことによって湿気を抜き取り、発電効率を上げる方法。
A再生サイクル:タービンから蒸気を抜き取るがタービンに戻さず、ボイラー入口部の「給水加熱器」に入れてボイラー入口温度を上げて熱効率のアップを図る方法。
 ※過熱は「蒸気」系統の、加熱は「水」系統の熱量増大方法であることに注意する。

36.後備保護
 後備保護は、主保護装置が担当地域の異常に対して保護動作しなかった場合、隣接地域でバックアップする保護方式である。よって、主保護よりも事故除去時間が長くかかり、停電区間も拡大する。

37.再閉路方式
 送電線上の事故は、雷電流の侵入や一時的な短絡、地絡事故等瞬間的に発生し、瞬間的に解消されるものが多い。したがって、系統に異常が生じた場合、瞬間的に異常のあった系統の遮断器を下ろし、アーク電流が消えた瞬間、即座に遮断器を戻してやると系統が復帰することがほとんど(成功率90%以上)で、これを「高速再閉路方式」という。単相再閉路方式は、3相送電系統で3相のうち1相分のみを再閉路するもので、3相同時に行う3相再閉路方式よりも安定度の向上効果は大きい。

38.送電線の保護継電方式
@距離継電方式は、1線地絡事故時に発生する事故地点からのインピーダンスに応じて、あらかじめ電気的な動作距離を決めておき、その決められた値以下のインピーダンスとなった場合に動作するようにした継電器であり、短絡保護用としてどのような中性点接地方式にも用いることができ、地絡保護用としては中性点直接接地方式で用いられる。
A回線選択継電方式は、平行2回線送電線の内部事故が発生した場合、方向継電器又は距離継電器と過電流継電器の組合せで事故回線の遮断を行うもので、平行2回線送電線の主保護回路である。
B表示線継電方式は、変圧器における「比率差動継電器」と同じ考え方で、送電線の担当継電区域の入口側と出口側に変流器を仕掛けてあらかじめバランスを取っておき、事故時にこのバランスが崩れることを検出して継電器を動作させる。変流器を設置するための専用回路として表示線(パイロットワイヤ)が必要なので、長距離送電線には向かない。
C位相比較継電方式は、保護継電区間の両側から正の半波のパルス波を搬送し合い、平常時や外部事故時等にはパルス波の位相が重ならないが、内部事故時には位相が重なることを検出して遮断器を動作させる。このため、特殊な送電形式でも対応できるが、マイクロ波等の伝送回路が別に必要になる。

39.各種継電器
@比率差動継電器→変圧器内部故障対策用継電器であり、変圧器1次側と2次側に変流器(CT)を置き、通常時にこの両者の間で動作コイルと抑制コイルを用いてバランスを取っておき、異常時にはバランスが崩れることを利用して異常を検出する。
A距離継電器→送電線用の保護継電装置で、継電器から故障点までの電気的距離に応じて、インピーダンスが予め整定した値以下になった場合に動作するようにセットした継電器をいう。
B不足電圧継電器→入力電圧が設定値以下になったとき動作する。入力電圧として、短絡事故検出には線間電圧、地絡事故検出には相電圧が用いられる。
C方向継電器→二つの入力量の位相関係を利用し、事故点の方向や電力潮流の方向を判断して動作する。
D地絡過電流継電器→零相変流器等の二次回路に接続し、地絡事故を検出する。短絡事故では動作しない。

40.遮断器の種類
遮断器は、接点を開く場合に飛び散る火花(アーク電流)をいかに素早く消すか(消弧)が課題であり、出題の多いのは、ガス遮断器、真空遮断器、磁気遮断器、空気遮断器の順である。
@ガス遮断器:消弧性能に優れた「六ふっ化硫黄ガス(SF6)」を使用して遮断する。コンパクトで性能に優れており、保守点検周期も長く取れるが、価格が高い。
A真空遮断器:真空の消弧性能を利用する。真空中で電流零点で消弧し、接点の摩耗が少ない特徴があるが、電流さい断による異常電圧が発生しやすく、真空漏れの検出が困難という欠点がある。
B磁気遮断器:遮断時に発生するアーク電流を磁気で消弧室に引き寄せ、消弧する。火災、爆発等の危険性がないが、高価である。
C空気遮断器:遮断時に発生するアーク電流を高圧空気で吹き飛ばし消弧する。動作時の騒音が大きい。

41.中性点接地方式
 要するに、3相送電線路上の1線地絡事故等の遮断動作検出回路である。Y結線の中性点(三相が交わる部分)を接地させ、平常時は中性点電流(零相電流)が流れないが、1線地絡事故等が発生した場合は零相電流が流れるため、予め零相電流通過点に零相変流器(3線一括で変流器を通すもの)を仕掛けておき、事故発生時に流れる零相電流をキャッチして遮断器を動作させる。
@直接接地方式:Y結線の中性点を直接ダイレクトに接地する。事故時には、1線地絡事故点と中性点接地部分間で大きな事故電流が流れるため、零相変流器と連動した遮断器の動作が確実に行われるが、電流経路上に民家があると電磁誘導障害が発生する。よって、基本的に山間地等で用いられる。
 また、事故時の健全相に対する対地電位上昇は、事故電流の経路の抵抗値が小さいため、小さくなる。
A抵抗接地方式:事故時のY結線の中性点上を流れる零相電流を制限し、電磁誘導障害の発生を抑えるため、遮断器の動作が確保出来るだけの零相電流を流すように中性点接地部分に抵抗器を接続する方式。電磁誘導障害はかなり抑えられるが、全面的に抑えられるわけではない。また、抵抗器が事故電流の経路に設定されるため、事故時の健全相に対する対地電位上昇は直接接地方式よりは大きくなる。
B中性点非接地方式:Y結線の中性点部分を接地しない方式であり、事故発生時にも誘導障害を発生させたくない市街地等で用いられる。この場合、1線地絡事故時のセンサー回路は、接地変圧器と零相変流器を用いて故障回線の「地絡方向継電器」を働かせて行う。1線地絡事故時の事故電流は、抵抗値の大きいところを流れることになるため、事故時の健全相に対する対地電位上昇が大きい。
C消弧リアクトル接地方式:1線地絡事故時に発生する電磁誘導障害を可能な限り小さく抑え込むため、Y結線の中性点部分にコイルとコンデンサの共振回路を用いて接地し、事故時の零相電流を最大に、事故地点の事故電流を最小限にする方式である。共振回路は、共振時のインピーダンスが0Ωに近くなるため、予め1線地絡時(1線断線時)の空中線等によるコンデンサ成分と中性点部分に設置したリアクトル(コイル)で事故時のインピーダンスが0Ωに近くなるように設定しておき、平常時は大きなインピーダンスがあるが、1線地絡事故発生時は0Ωに近くなることを利用する。

42.1線地絡時の零相電流の大きさ
  1線地絡時の零相電流は、1線地絡時の各線電流の総和を3で割った値である。

43.変圧器の結線区分による降圧・昇圧の区分
 変圧器は巻線数に比例して電圧が変化するが、変圧器の各相の巻線数は基本的に同じである。したがって、Y結線でも△結線でも相電圧は等しい。よって、相電圧を等しいとした場合に線電圧がどう変化するかを考えればよい。Y結線では、相電圧を1とした場合、線電圧はその倍、△結線では線電圧=相電圧なので、Y−△結線の組合せでは降圧(1/)、△−Y結線では倍の昇圧となる。

44.Y−Y−△結線の特徴
 Y−Y−△結線は、Y−Y結線とした場合、中性点が接地できるため保守点検が容易であるが、反面、中性点から第3高調波電流が流れるため誘導障害の原因になる可能性がある。この第3高調波電流による誘導障害を防止するには最後の結線を△結線とすればよい。△結線内では第3高調波が△結線内を循環し、外部に現れないため第3高調波による電磁誘導障害のおそれがない。なお、第5高調波以上の奇数波高調波に対しては、直列リアクトルと電力コンデンサの組合せで共振回路を作り、狙った周波数で共振させ、共振電流をアースして送電系統から取り除く。

45.変圧器の損失
@無負荷損:負荷電流の大きさに関係なしに一定割合で発生する。代表的なものとして鉄芯部分で発生する「ヒステリシス損」(コイル部分と鉄芯部分の磁化スピードの違いから来る損失で、無負荷損の8割を占める)とうず電流の発生によって生じる「うず電流損」がある。
A負荷損:負荷電流の大きさによって変化する損失。主なものは、巻線部分の抵抗から来る「ジュール損」がある。ジュール損はH=VIt=IRtで表されるため、電流の2乗に比例する。

46.鉄損と銅損
@鉄損:変圧器等の鉄芯部分の損失であり、無負荷損(ヒステリシス損8割+うず電流損2割)なので、電流値に関係なく一定割合で発生する。
A銅損:変圧器等の巻線部分の損失であり、負荷損(電線抵抗による発熱損=ジュール損)なので、電流値の2乗に比例して発生する。

47.計器用変成器
 計器用変成器は、計器用の変圧器及び変流器の総称で、いずれも高圧電路の2次側(測定器側)にはD種接地工事を行う必要がある。
@計器用変圧器:2次側電路は短絡してはならない。短絡防止用に1次側2次側にヒューズを設ける。
A計器用変流器:2次側電路は必ず短絡する。2次側にはヒューズを設けてはならない。

48.変圧器の絶縁耐力試験
 いずれの場合でも、試験される巻線と他の巻線、鉄芯及び外箱との間に試験電圧を連続して10分間加える。なお、公称電圧を最大使用電圧に変換する場合、公称電圧を1.15倍して1.1で割る。
@最大使用電圧7,000V以下(高圧):最大使用電圧の1.5倍の試験電圧とする。
A最大使用電圧7,000Vを超え、60,000V以下(特別高圧):最大使用電圧の1.25倍の試験電圧とする。
B直流電圧で試験する場合、交流試験電圧の算出値の2倍とする。

49.架空地線
 空中送電線用の一種の避雷針である。ただし、送電線なので「針」の形ではなく、送電線上方に設置された導線で、アースされている。

50.アーマロッド
 空中電線の支持部には大きな力が加わるので、支持部の電線に電線材料と同じ材料で補強のために巻き付ける線(補強巻線)をいう。

51.アークホーン
 電線を支持しているがいし部分に雷電流等の大きな電流(フラッシュオーバ)が流れた場合、がいしを破損させてしまう可能性がある。そこでがいし破損防止のため、雷電流等があった場合にがいしを避けて、がいしの周囲に雷電流等をアークの形で飛ばし、がいしを保護する装置(がいし破損防止装置)である。

52.空中送電線上に発生するコロナ放電
 コロナ放電は、電線等の帯電体表面がイオン化されて発生する放電現象で、送電線抵抗損失に次いで送電線上で発生する電力損失の原因となっている。コロナ放電は、電線直径が大きいほど、電圧が低いほど発生しにくい。よって、1相当たりの送電本数を多くした多導体送電では、コロナ放電が発生しにくい。

53.多導体送電の特徴
 多導体送電は送電線路が2本以上のものをいう。多導体送電の特徴は次のとおり。
@送電容量が増大する。
A静電容量が増大し、インダクタンスは減少する。
Bコロナの開始電圧が高くなる。

54.断路器
 通常運転時には使用しない開閉器の1種の安全装置で、点検時等しか操作が行われない。遮断器や開閉器等で電路の負荷電流を開いた状態で初めて開閉操作することが出来、点検等の終了後には断路器を閉じた上で初めて遮断器や開閉器を閉じることができる。なお、負荷電流の流れる状態での断路器の開閉操作は非常に危険であり、毎年、この誤操作による死傷者が絶えないことから、安全管理面での出題も多い。

55.誘電損
 絶縁体を誘電体という。絶縁体に交流磁界を加えた時に生じる損失をいい、直流送電では関係がない。

56.静電誘導障害
 静電気(コンデンサ分)による誘導障害。要するにコンデンサ分を小さくすれば解決できるので、通信線との離隔距離を大きくとったり、通信線をシールドケーブル式とすればよい。

57.電磁誘導障害
 電磁誘導による誘導障害。対策は、磁力作用による影響を抑えればよいので、架空地線の条数を増やしたり、ねん架をしたり、並行区間を短縮したり、シールドケーブル等を用いる。

58.ねん架
 3相の送電線の配列順序がいつも一定だと、3相間でコイルやコンデンサ成分のバランスが崩れ、1相分のみのコイルやコンデンサ成分だけが増大したり減ったりする可能性がある。この結果、3相中性点のバランスが取れず、中性点接地方式の遮断器が正常動作しないといったことが考えられる。よって、3相のバランスを取るため、3相の電線の配列順序を時々入れ替えてやることを「ねん架」をいう。

59.地中送電線の設置方法
@原則として、重量物の圧力のかかる場所での埋設深さは1.2m以上とし、圧力のかからない場所での埋設深さは60cm以上とする。
A出題の多い地中電線相互間の離隔距離は、低圧と高圧相互間では15cm、低圧と電話線等の弱電流電線及び高圧と弱電流電線相互間では30cm以上離すのを原則とする。
B電線相互の離隔距離をAで述べた長さ分の確保が困難な場合、次の対策を取る。
 ア:間に耐火性の隔壁を設ける。
 イ:耐火性、不燃性の管に収める場合は、どちらか一方の電線を管に入れればよい。
 ウ:難燃性の管に収める場合は、両方の電線を管に入れる必要がある。

60.地中送電線の事故点検出法
 切断事故用のパルス法と静電容量法、短絡事故用のマーレーループ法とサーチコイル法に分けられる。
@パルス法:空中送電線での保護継電方式である「位相比較継電方式」と同様、ケーブルの片側から直流パルスを送り、事故点で反射波として戻ってくる性質を利用して測定する。
A静電容量法:ケーブル自体の有する静電容量(コンデンサ分)を測定して、事故点までの距離を求める。
Bマーレーループ法:短絡事故を起こしたケーブルをホイートストンブリッジ回路に取り込み、抵抗値を測定して短絡事故点を推定する。
Cサーチコイル法:短絡事故を発生させた電線に交流信号を入力し、地上からサーチコイルで信号を検出して短絡事故点を探り出す方法。

61.接地工事の種類
@A種接地工事:高圧、特別高圧用機器の鉄台や金属製外箱の接地工事で10Ω以下。
AB種接地工事:柱上変圧器等の低圧と高圧の変圧器で、低圧回路に高圧が侵入するのを防止するために低圧側に設ける接地工事で、原則として150を1線地絡電流の値(A)で割った数値(Ω)以下とする。
BC種接地工事:300Vを超える低圧用機械器具等に施し、10Ω以下。
CD種接地工事:300V以下の低圧用機械器具等に施し、100Ω以下。なお、高圧計器用変成器2次側にも施設される。

62.フロアヒーティングの電源供給条件
1.フロアヒーティングの発熱線に電気を供給する電路の対地電圧は、300V以下。
2.フロアヒーティングは、フロア内に施設するため漏電の危険性があるので、発熱線、電熱ボード、電熱シート、表皮電流加熱装置に電気を供給する電路には漏電遮断器を施設する。
3.電熱ボード又は電熱シートを造営物の造営材に固定して施設する場合、対地電圧は150V以下に限定される。→これに関する出題が非常に多い。
4.フロアヒーティングで次のものに該当する場合は、使用電圧が300V以下の場合はD種接地工事、300 Vを超える場合はC種接地工事を施す。
 @フロアヒーティング等に電気を供給するMIケーブル
 A発熱線の被覆に使用する金属体
 B発熱線を支持する金網
 C電熱ボードの金属製外箱
 D電熱シートの金属被覆
 E表皮電流加熱装置の金属製部分

63.変電所送電方式
@ユニット方式:コンパクトなユニット形式となっており、信頼性よりも設備の占有面積を小さくする必要がある場合に用いられる。事故発生時は、いったん停電する。
Aループ方式:各需要家はループ接続されている。このため、送電事故時でもいずれかの供給経路を用いて送電可能であり、特に信頼性が要求される場合に用いられる。多数の需要家に単純な2端子構成で効率的供給可能である。

64.ネットワーク受電方式
 ネットワークは「網の目状」を意味する。ネットワーク受電方式は並列網の目状に三相電源を取り出す受電方式であり、ある相に事故が生じても並列する別の受電箇所により供給が続くため、停電しない。レギュラーネットワーク方式(一般低圧需要家供給用)もスポットネットワーク方式(特別高圧需要家供給用)も母線での機器配列順は同じである。すなわち、@断路器、Aネットワーク変圧器、Bプロテクタヒューズ、Cプロテクタ遮断器の順で配列されており、ネットワーク母線経由後、レギュラーネットワークでは「リミッタヒューズ」が、スポットネットワークでは「幹線保護ヒューズ」が配置される。

65.ディーゼルとガスタービンの特性の違い
@熱効率はディーゼル機関の方が高い。
Aディーゼル機関は補水が必要だが、ガスタービンは不要である。
B潤滑油は、ディーゼルの方が多く必要とする。

66.発電機出力算定項目
@定常負荷出力:定常運転で必要とする発電機出力。
A許容電圧降下出力:電動機始動時等でいったん電圧降下が発生しても、許容範囲内にするために必要な発電機出力。
B許容逆相電流出力:負荷側に逆相電流や高調波電流等の異常が発生した場合の許容可能な発電機出力。
C短時間過電流耐力出力:負荷による過渡的な負荷電流の最大値に対し、必要な発電機出力。

67.シーケンス制御・フィードバック制御
@シーケンス制御:一定の順序に従って、命令手順を一方通行に自動的に行う制御。(一方通行制御)
Aフィードバック制御:いったん出力した結果を入力側に戻し、目標値に一致させるように訂正動作させる制御。(目標確認制御)

68.避雷針の規格
@保護角度は通常60度以内、危険物貯蔵所等では45度以内
A棟上げ導体、避雷導線は断面積30mm以上の銅線又は断面積50mm以上のアルミ線とする。
B避雷導線は、被保護物の水平投影面積50m以下で1条とし、これを超えると2条とする。
C避雷導線は、建物外周に沿って50m以下の間隔毎に均等に設置する。
D避雷導線から1.5m以内の金属体は全て接地する。
E避雷設備の総合接地抵抗は10Ω以下、単独接地抵抗では50Ω以下とする。
F鉄骨鉄筋コンクリート造等で、鉄骨や2条以上の主鉄筋で引き下げ導線の代わりに使用できるのは、接地抵抗が5Ω以下の場合であり、この時、接地極の省略が可能である。

69.耐熱配線関係の要点
 消防用の設備で、耐熱配線(通常、HIV線=600V二種ビニル絶縁電線以上)で施工しなければならないのは、制御装置から消防用の設備を動作させる部分までの回路である。逆に火災や煙等のセンサー回路は、火災や煙等をキャッチしてしまった後は焼失しても構わないので、一般的な配線で良いことになっている。

70.交流き電方式
 要するに、交流電車の動力用給電方式である。パンタグラフから給電(在来線20KV、新幹線25KV)し、レールで帰線する回路で、3相交流だとパンタグラフが増えるため、単相交流に変換してから給電する。

71.直流き電方式
 直流電車の動力用の給電方式で、一般に直流1,500Vで給電する。電圧が小さいため、逆に電流は大きくなり、事故時の選択遮断が困難で、電食対策も考慮する必要がある。

72.スコット結線
 3相交流を単相交流に変換する場合に用いられるトランスの結線方法である。3相から一気に単相交流に変換することはできないので、いったん3相→2相(スコット結線)→単相(単巻変圧器や吸上げ変圧器)の順に変換する。

73.交流き電の誘導障害対策
 交流電車の帰線回路はレールになるため、レール上を帰線電流が流れ、付近の民家に誘導障害を発生させる可能性がある。これを防止するため、BTき電方式では吸上げ変圧器を用いて給電側に戻し、レール上の帰線電流の値を抑えている。

74.ATき電とBTき電
@ATき電:送電に伴う電力損失を減らすため、BT方式よりも2倍の電圧で変電所から送り出し、単巻変圧器で半分に減圧して電車負荷に供給する方法。このため、変電所設置間隔が長く(在来線100km、新幹線50〜70km)取ることができ、建設費が安上がりとなる。
ABTき電:吸い上げ変圧器を用いる方法で、通常の電圧で変電所から送り出すため、変電所間隔がAT方式よりも短く(在来線30〜50km、新幹線20km)なり、建設コストがかかる。

75.軌道回路
 軌道はレールのことである。したがって、レール上に設けられた「追突事故防止用電車位置検出回路」のことである。この電車位置検出のために用いられる電流を「信号電流」という。なお、軌道回路は非電化区間(電車が走っていない区間)でも採用されている。

76.電車位置検出とインピーダンスボンドの動作
 レールは、動力回路の帰線電流を流すため、変電所まで電気的に接続されている必要がある。反面、電車の位置を検出するにはレールを何らかの形で区分する必要がある。そこで、この矛盾した2つの要求を満たすため、レールのつなぎ目に、動力回路の電源周波数(50Hz又は60Hz)に対しては0Ωに近くなり、レール上に流す電車位置検出用周波数(要するに電源周波数と離れた信号周波数)に対しては大きなインピーダンスを持つような特性を持たせたインピーダンスボンド(コイルの一種)を設けて、電車の位置をインピーダンスボンド毎に区切って検出している。

77.開電路式軌道回路と閉電路式軌道回路
 インピーダンスボンドで電気的に区分された場所に電車が進入した場合の、電車の検出方法の違いによる区分である。
@開電路式軌道回路
  インピーダンスボンドによって電気的に区分された場所に電車が進入する前は検出用軌道リレーがOFFで、電車の進入によって軌道リレーがONになる方法。レール折損等があると電車の進入があっても軌道リレーがOFFのままなので、電車の検出が出来ず、追突事故のおそれがある。
A閉電路式軌道回路
  電車の進入前は電車位置検出用リレーをONの状態とし、電車進入によってリレーをOFFとする方式。これだと、リレーがOFFになるのは電車進入か、レール折損時等の故障発生時なので、異常の検出にもつながり安全度が高い。

78.レールボンド
 単純に、レールの継ぎ目の電気的接続を確保するためのボンド線である。

79.クロスボンド
 動力回路の帰線電流は、流れやすいほど良いので、隣接するレール等に帰線電流を流すためにレール間を接続するボンド線である。当然、この時には電車位置検出用周波数に対しては大きなインピーダンスを持たせてやる必要がある。

80.電車線の偏位
き電線とパンタグラフが接触する位置が常に一定だと、摩耗によりパンタグラフに穴があいてしまう。したがって、これを防止するため、電車の走行にしたがってわざとパンタグラフにジグザグに接触するようにき電線の位置をずらすことをいい、在来線では250mm以内、新幹線では300mm以内の偏位を持たせることが定められている。

81.電車線の規格
@電車線の高さは、原則としてレール面上5m(在来線5m以上5.4m以下、新幹線4.8m以上5.3m以下)である。
A道路横断時の電車線の高さは、道路面上6m以上である。
Bトンネル、跨線橋等の場合でやむを得ない場合の電車線の高さは3.5mまでである。
C電車線として、一般に公称断面積110mmの溝付硬銅線が用いられる。
Dコンクリート柱の安全率は2以上である。 
Eき電線の加電圧部分と跨線橋等との離隔距離は、交流き電で0.3m、直流き電で0.25m以上とする。やむを得ずこれよりも短くする場合は、交流き電で0.25m、直流き電で0.07mとする。

82.本線こう配と側線こう配
 この場合のこう配は、電車線とレールの水平(平行間隔)のずれ具合をいう。
@本線こう配:「本線」とは電車が通常営業運転する場所をいい、電車のスピードが乗るので、こう配は小さくすることが要求されており、カテナリちょう架方式では50km/h超過の場合、本線こう配は5/1,000以下、50km/h以下では15/1,000以下とする。
A側線こう配:「側線」とは電車がメンテナンス等を行うために使用する営業運転を行う場所以外の場所をいい、電車のスピードが遅いので、こう配は大きくても良く、カテナリちょう架方式での側線こう配は20/1,000以下である。

83.ATS(自動列車停止装置)
 主信号が停止信号を表示している時に所定の位置、一定以上の速度でブレーキ操作が行われなかった場合、自動的に信号機の外方(信号現示している方向)に列車を停止させる装置をいう。

84.室指数
 部屋の中の明るさの程度を、部屋の構造から表したもの。室指数は、被照面から光源までの高さが低いほど、また部屋の形が正方形に近くなるほど大きくなり、明るくなる。

85.グレア
 まぶしさを意味する。照明器具のグレアの分類は、照明器具類の視覚特性からの規制であるG分類と、パソコンのディスプレー等の輝度制限であるV分類とに分けられる。G分類は強い方からG0〜G3まであり、G3はグレアを全く制限しない。V分類は強い方からV1〜V3まであり、V3はディスプレーに反射防止の対策が施してあることが条件となっている。

86.色温度
フィラメント等を加熱していくと、黒→深赤→橙→桃→白→青白→青へと変化する。この加熱による色の変化が色温度であり、色温度が大きいと青白いため、非常に明るくはっきり見えるが、色温度が低いと黒っぽいため、あまりよく見えない。

87.ナトリウムランプの特徴
 低圧と高圧のナトリウムランプがあるが、いずれも高効率が特徴である。
@低圧ナトリウムランプ:黄色の単色光が特徴で、自動車のフォグランプ同様、霧の発生時にも視界が効くので、トンネルや道路照明に用いられる。
A高圧ナトリウムランプ:水銀ランプ同様、非常に長寿命なのが特徴で、出力も大きい。

88.メタルハライドランプ
 水銀ランプや高圧ナトリウムランプほど長寿命ではないが、高出力で演色性が優れているため、高天井や屋外照明用に用いられている。

89.全感応式と半感応式信号機
 交差点の車両流入部に車両感知器を設けて、車両流入部の青時間を決定する方式をいう。全感応式は、主道路、従道路共に交通量にあまり差がない場合、半感応式は主道路側に比べ従道路側の交通量が少ない場合に用いられる。

90.スプリット
 信号機が、青→黄→赤と一巡するのに要する時間を「サイクル」といい、サイクルに対する各方向への通行時間(青時間)の配分割合を「スプリット」という。

91.オフセット
 各交差点の青時間開始の時差をいう。たとえば、「同時オフセット」は、主道路側上のいくつかの信号機を同時に青信号にすることをいう。

92.TV共同受信用直列ユニットの特性
 直列ユニットはビル内共同受信設備用の分岐器の1種で、UV混合器、分配器を介して直列に接続され、1系統の直列ユニット接続数は8個が限度である。直列ユニットの端末ユニット(直列接続の最も最後の接続部分)は原則として受信設備を接続せず、信号反射による受信障害防止のためダミー抵抗を接続する(パソコンのSCSI接続で、最端末にターミネーターを接続するのと同じ)。よって、実際にTV視聴用に使用する中間ユニットの方が1〜1.5dB出力レベルが大きくなるように設計されている。反面、信号を取り出す中間ユニットはUV分波器等を通すため、結合損失自体は中間ユニットの方が大きくなる。

93.光ファイバーケーブル
 光ファイバーの中心部をコアといい、コア部を信号が通り、クラッド部はコアの周辺部で信号通過路ではないので、信号が通過するコア部の方が屈折率は当然高く、クラッド部は低くなる。マルチモードファイバは、材料に安いプラスチックを用い、光信号をばらけさせて伝送するタイプのため、短距離・低帯域用であり、シングルモードファイバは材料に高価なガラス繊維を用い、光信号を一直線に伝送するタイプのため、長距離・高帯域用に用いられる。なお、光ファイバーケーブルに載せる信号数は、ケーブルの両端に取り付けるデバイスによって異なる。

94.LANの配線
 LANでは、通常、10BASE-Tや100BASE-TXケーブル=ツイストペア(2本ねじり)ケーブル=UPTケーブルが用いられている。電話用のモジュラージャックに接続するケーブルと形状が似ており、比較的伝送速度が速い。なお、FDDIはマルチモードタイプの光ファイバーケーブルを使用する。10BASE2や10BASE5は同軸ケーブルであり、伝送スピードが遅すぎるため、ほとんど用いられなくなった。

95.コンクリートの特徴
 コンクリートは圧縮に対して非常に強いが、引張に対してはもろいので、鉄筋コンクリートでは、圧縮力をコンクリートが、引張力は鉄筋がそれぞれ分担して受け持っている。コンクリートは「水和反応」という化学反応で固まり、コンクリートの硬化には水が欠かせないが、セメントと水の配合割合は水が少ないほどコンクリート強度が上がるため、加える水分量はできるだけ少なくする。反面、水分量が少ないとコンクリート練り混ぜ時や打設作業では、作業がしにくいので、作業のしやすさ(ワーカビリティー)に影響のない範囲で水を少なくするようにする。なお、コンクリート中の水の量によるコンクリートの崩れ易さを「スランプ」という。スランプはできるだけ小さい方がコンクリート強度は上昇する。

96.ボイリングとヒービング
 砂質土では、土留め部分の周囲の圧力を受けて掘った穴の底部から砂や水等が吹き出す場合があり、これを「ボイリング」という。また、粘性土では土留め部分の周囲からの圧力により、掘った穴の底部が盛り上がる場合があり、これを「ヒービング」という。何れの場合も、土留め壁の打ち込み深さが浅いことが原因なので、土留め壁をさらに深く打ち込むようにする。

97.水準測量
 前視は高さを測定しようとする方、後視は既に高さが分かっている方の標尺の読みをいう。正確に高さの違いを読み取るには視準距離はほぼ等しくする。また、視準する場合は、レベルが据え付けられた水平部分に沿って前視と後視の高さの違いを読み取り、標尺の下方20cm以内は「かげろう」等の影響による読み取りミスを考慮して読まない。

98.空調方式の区分
@定風量単一ダクト方式は、文字どおりダクト1本で空調機本体以外は風量コントロールが出来ないたれ流し方式なので構成が非常に単純である。
A変風量単一ダクト方式は定風量単一ダクト方式の改良版であり、定風量方式のように一定風量のたれ流しではなく、風量コントロールができるようにしたものなので、使用していない場合は送風を停止することもでき、エネルギー効率はよい。
Bファンコイルユニット・ダクト併用方式は、ダクトは温度の変動が緩やかな部屋の中央部(インテリア部)を受け持ち、寒暖の差が激しい窓際(ペリメータ部)はファンコイルユニット(窓際の下部に設ける一般に白い空調ボックス)が受け持つ。ファンコイルユニット系統とダクト系統の2つが必要なので、構成が複雑になる。

99.施工体制台帳と監理技術者の設置
 施工体制台帳は、監理技術者を選任する条件が成立する場合に現場に備え付ける必要がある。監理技術者の設置条件は、次の3つを全て満たす場合である。
@特定建設業の許可業者であること。
A発注者から直接工事を請け負っていること。
B下請への工事発注額の総額が3,000万円以上であること。

100.電気事業法の工事計画の事前届出を要するもの
@需要設備の設置工事では、最大電力1,000KW以上のもの。
A電線路では、5万V以上のもの。
B変圧器では、1万V以上で容量又は出力1万KW(KVA)以上のもの。
C遮断器は、需要設備同様、最大電力1,000KW以上のもの。

101.出題の多い資格区分
1.クレーン    →5t未満……………特別教育修了者
             5t以上……………運転士免許
2.移動式クレーン→1t未満……………特別教育修了者
             1t以上5t未満…技能講習修了者
             5t以上……………運転士免許
3.玉掛け作業  →1t未満……………特別教育修了者
             1t以上……………技能講習修了者
4.高所作業車  →2m以上10m未満…特別教育修了者
             10m以上……………技能講習修了者

102.1級建築士と2級建築士の守備範囲
@一級建築士でなければできない設計又は工事監理→鉄筋コンクリート造、鉄骨造、石造、れん瓦造、コンクリートブロック造若しくは無筋コンクリート造の建築物又は建築物の部分で、延べ面積が300u、高さ13m又は軒の高さが9mをこえるもの。
A二級建築士で可能な設計又は工事監理→@の建築物のうち、延べ面積が30uを超え300uまでのもの。